「子育て」の在り方について考えさせられるドラマ

映画評

ドラマ「海のはじまり」 (フジテレビ系 2024年7月期)の感想です。

【注意!】ネタバレ含みます。

あらすじ

主人公は20代男性。ある日突然、彼は自分に小学1年生の子どもがいることを知ります。海ちゃんという女の子です。

シングルファーザーとなるべきか、付き合っている彼女とどちらを優先すべきか、様々な葛藤をしながら、「子育て」「家族」について考えていく話です。

主人公と海ちゃんの今の生活と、海ちゃんとその母親(=主人公の昔の恋人)の昔の生活の、2つの時系列が並行して、物語は進んでいきます。

良かった点:周囲の人の協力を得ながら子育てに奮闘する親の姿

海ちゃんの母親(水季)は、7年間シングルマザーとして子育てをし、海ちゃんの父親(夏)は、亡くなった母親からバトンを受け継ぐ形で、シングルファーザーとして子育てをします。

水季も、夏も、最初こそ一人で仕事と子育てを両立しようとしますが、上手く行きません。

そこで、職場の同僚や、兄弟、親などの力を借りながら、徐々に自分なりの子育てスタイルを確立していきます。

地域や家族ぐるみで、宝物のように大切に子どもを育てていく姿は、感動しましたし、「子育てがしやすい社会」の在り方のヒントが得られるような気がしました。

気になった点①:水季の理解しがたい行動

水季は、人工中絶の同意書を恋人の夏に書かせた後、夏との連絡を絶ち、一人で海ちゃんを産みます。

それなのに、海ちゃんには、「あなたには夏という父親がいる」ということを言い聞かせて、育てていきます。

一貫して夏のことを愛しているように描かれていましたが、夏からしたら迷惑千万な話。

水季のような行動をとる人が、現実にいるとはとても思えず、どこか感情移入しきれないまま話が進んでいってしまいました。

気になった点②:海ちゃんがお利口さん過ぎる

海ちゃんは小学1年生ですが、非常に健気で物わかりのいい子です。それだけならよいのですが、余りにも大人びたことを、よどみない口調で語るので、少し怖さも感じてしまいました。

自分の矛盾した感情を、整然と語るシーンがありましたが、ちょっとあり得ないだろう。。と、気になってしまいました。

まとめ:設定に難あり。しかし、メッセージ性は強い。

設定に無理があるが、「子育て」「家族」という面でのメッセージ性はとても強い作品です。

子育てに悩んでいる方、子どもが欲しいけど悩んでいる方などにオススメの作品です。

優しい人間しか出てこない世界になっているので、荒んだ心をほっこり温めてくれると思います。

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